市川沙央さん『ハンチバック』が第 169 回芥川賞受賞
市川沙央さんのプロフィール
市川沙央さんは、1979 年生まれの作家です。早稲田大学人間科学部を卒業し、2023 年に『ハンチバック』で第 128 回文學界新人賞を受賞してデビューしました。市川さんの作品は、右肺を押しつぶすほどに湾曲した主人公の井沢釈華(しゃか)の物語であり、彼女の生活やアイデンティティに焦点を当てています。
『ハンチバック』について
『ハンチバック』は、主人公の井沢釈華による愛憎劇です。彼女は、親が亡くなった後、グループホームで生活しています。右肺を押しつぶすような背骨の湾曲のため、彼女は普通の歩行ができず、靴底を引きずって歩くようになりました。井沢釈華は、通訊課程で学んだり、コタツ記事を書いて収入を寄付したり、18 禁 TL 小説を投稿したりしています。そんな彼女の秘密が、グループホームのヘルパーである田中に知られてしまい、物語は展開していきます。
文藝春秋での掲載と贈呈式
『ハンチバック』は、芥川賞の受賞作品として文藝春秋の9 月号に全文と選評が掲載されます。また、贈呈式は8 月下旬に都内で行われます。
垣根涼介さん『極楽征夷大将軍』が直木賞に
垣根涼介さんのプロフィール
垣根涼介さんは、1966 年 4 月 27 日に長崎県諫早市で生まれました。筑波大学を卒業後、2000 年に『午前三時のルースタ一』で第 17 回サントリーミステリー大賞と読者賞のダブル受賞を果たし、作家デビューしました。
『極楽征夷大将軍』について
『極楽征夷大将軍』は、足利尊氏を描いた歴史群像劇です。物語は、北条家の独裁政権が続く動乱前夜の時代から始まります。足利直義が兄の尊氏を励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうと奮闘します。後醍醐天皇から北条家討伐の勅命を受けた直義は、一族を率いて北条家に反旗を翻します。一方、足利家の重臣である高師直は、倒幕後の時代の混乱に困惑します。後醍醐天皇は武士に政権を委ねるつもりはなかったのです。この物語は、尊氏のような人物が謎めいたまま頂点に登り詰める様子を描いています。
文藝春秋での掲載と贈呈式
『極楽征夷大将軍』は、直木賞の受賞作品として「オール讀物」の9・10 月合併号に作品の一部と選評が掲載されます。贈呈式も8 月下旬に都内で行われます。
永井紗耶子さん『木挽町のあだ討ち』が直木三十五賞を受賞
永井紗耶子さんのプロフィール
永井紗耶子さんは、1977 年生まれで横浜市出身です。慶應義塾大学文学部を卒業後、2010 年に『絡繰り心中』で第 11 回小学館文庫小説賞を受賞してデビューしました。
『木挽町のあだ討ち』について
『木挽町のあだ討ち』は、美しい若衆・菊之助による仇討ちを描いた物語です。彼がある雪の降る夜に見事に仇を討った姿は多くの人々に賞賛されます。そして2 年後、仇討ちの顛末を知りたいと芝居小屋を訪れる侍が現れます。この物語は、仇討ちにまつわる秘密と事件の解決を描きます。
新潮社での掲載と贈呈式
『木挽町のあだ討ち』は、直木三十五賞の受賞作品として新潮社から刊行されます。贈呈式は8 月下旬に都内で行われる予定です。
まとめ
第 169 回の芥川賞には、市川沙央さんの『ハンチバック』が選ばれ、直木賞には垣根涼介さんの『極楽征夷大将軍』と永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』が選ばれました。市川さんは初の候補での受賞であり、垣根さんは3 回目、永井さんは2 回目の受賞となりました。これらの作品は、それぞれの受賞にふさわしい魅力やストーリーを持っており、エンターテイメントとしても高い評価を受けています。
芥川賞と直木賞は、日本文学界において最も権威のある文学賞です。この受賞作品は、今後さらなる注目を浴びることでしょう。読者には、受賞作品をぜひ手に取って読んでいただきたいと思います。文学は、私たちの感性や思考を刺激し、深い洞察や感動を与えてくれるものです。これらの作品を通じて、さまざまな視点や人生の喜びや苦悩について考えてみるきっかけとなることでしょう。
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この画像は説明のためのもので、実際の状況を正確に描写していません。