「湧き水からの流しそうめんで93人食中毒、500人調査中の恐怖」

「流しそうめん」で93 人食中毒、500 人調査中

食中毒の原因となった湧き水からカンピロバクターが検出

石川県津幡町の「大滝観光流しそうめん」で、8 月中旬に発生した食中毒により、93 人もの患者が確認されたことが明らかになりました。保健所によると、流しそうめんに使用する湧き水から食中毒の原因となるカンピロバクターが検出されたとのことで、県はこれまでに相談があったおよそ500 人もの人々についても調査を進めています。

石川県によれば、津幡町の木窪大滝にある「大滝観光流しそうめん」で、8 月 11 日と12 日に食事をした利用者から、下痢や発熱などの症状が報告されたとのことです。患者は現在までに最低でも93 人に上り、県はさらに500 人ほどの人々についても食中毒の可能性があるかどうかを調査しています。

水質検査を怠った理由は大雨の影響

大滝観光流しそうめんは公式ウェブサイト上で、通常年に1 度以上行っている水質検査を、今年は7 月 12 日に発生した線状降水帯による大雨の影響で7 月 23 日の営業開始前に行うことができなかったことを明らかにしました。実際の水質検査は、食中毒が発生した後の8 月 16 日に実施されたとのことです。

大滝観光流しそうめんは既に今年の営業を終了しており、「多大なる苦痛とご迷惑をおかけしたことを心より深くお詫び申し上げます」とコメントしています。

カンピロバクターとは

厚生労働省によれば、カンピロバクターは国内で最も頻度の高い食中毒の原因菌であり、加熱不十分な鶏肉を摂取することによって感染が起こるケースが多いとされています。症状は下痢や腹痛、発熱などがあり、通常は約 1 週間で自然に治癒しますが、まれに手足の麻痺や呼吸困難などを引き起こす「ギラン・バレー症候群」という重篤な合併症を発症する可能性も指摘されています。

県の対応と注意喚起

石川県は、大滝観光流しそうめんを利用した人々に対して、最寄りの保健所や福祉センターなどに相談するよう呼びかけています。また、過去の水質検査の怠慢や事故が発生した経緯についても厳重な調査が行われることが予想されます。

食品の安全管理は重要です。特に、水を使用する流しそうめんなどの施設では、定期的な水質検査や衛生管理の徹底が不可欠です。食中毒を未然に防ぐためには、事業者側の責任とともに、消費者自身も責任を持ち、食品の品質や安全性について十分な注意を払うことが求められます。