【米国市況】ハイテク株の急騰で株価が牽引、エヌビディアの業績見通し予測も影響？

米国市況：ハイテクが株高主導、エヌビディア業績見通し予想上回る

株式相場の反発

23 日の米国株式相場は反発し、６月以来の大幅高となりました。欧米の経済統計を受けて、リセッション（景気後退）を防ぐために利上げが停止されるとの観測が広がりました。

ハイテク株の上昇とエヌビディアの業績見通し

米国株価指数の中でも、ハイテク株が上昇を主導しました。特に、エヌビディアの業績見通しの予想を上回ったことにより、ナスダック100 指数に連動した規模 2000 億ドル（約 28 兆 9500 億円）の上場投資信託（ETF）が上昇しました。

米総合購買担当者指数（PMI）の予測

キャピタル・エコノミクスの欧州担当チーフエコノミスト、ジェニファー・マキューン氏は８月の米総合購買担当者指数（PMI）について、「金融引き締めはサイクルのピークに達した、あるいは近いことが強く示唆された」と述べました。

住宅セクターの兆候

住宅セクターからは懸念すべき兆候が示されました。住宅ローン申請指数はほぼ30 年ぶりの低水準を記録し、新築一戸建て住宅販売は約１年半ぶりの高水準となりました。住宅ローン金利の急上昇により中古住宅の在庫が極端に薄くなっていることが背景にあります。

金融政策の動向

パウエル米連邦準備制度理事会（FRB）議長が25 日に講演する年次シンポジウムでは、金融政策の軌道についての手がかりが示されることが注目されています。利上げの是非や利下げへの転換時期について、投資家たちは議長の発言から判断材料を得ようとしています。

個別銘柄の動向

個別銘柄では、コールズとアーバン・アウトフィッターズが予想を上回る決算を発表し、株価が上昇しました。一方、スポーツシューズ小売りのフットロッカーは業績予想の下方修正や予想を下回る決算発表により株価が急落しました。

米国債相場とショートカバー

米国債相場も株式と同様に上昇しました。特に20 年債は入札後も上昇を維持しました。８月の米総合購買担当者指数（PMI）が芳しくなかったことを受けて、２年債利回りは５％を割り込みました。ショートカバーも米国債相場上昇の要因とされています。

ドルの下落と為替相場

８月の米総合 PMIを受けて、ドル指数は下落しました。その結果、円は上昇し、１ドル＝144 円台後半となりました。また、ユーロ圏の経済活動が８月に一段と縮小したことを受けて、ユーロは一時的に大きく下げたものの、後に上昇に転じました。

原油市場の動向

ニューヨーク原油先物相場は３日連続で下落し、約１カ月ぶりの安値となりました。制裁が科されているイランとベネズエラに関して、米国との関係改善の兆しが見られることが材料とされました。ただし、米政府の在庫統計を受けて安値から下げが縮小しました。

金市場の動向

金スポット相場は３日連続で上昇しました。米国の企業活動を示す指数が縮小圏に近づいたことを受け、米国債利回りが大きく下がったことが背景とされています。これにより、金融当局の政策金利の動向についての見方が見直される可能性が広がっています。