【追悼・財津一郎さん】タケモトピアノCMのダンサーが明かす、財津さんの才能と影響力

追悼・財津一郎さん：タケモトピアノCMのダンサーが明かす、「撮影中、とても紳士的だった素顔」

10 月 14 日、慢性心不全のために自宅で亡くなったコメディアンの財津一郎さん（享年 89）の通夜が18 日に行われ、近親者による告別式が19 日に行われました。財津さんは1960 年代に放送された時代劇コメディ「てなもんや三度笠」で一躍有名となり、その後もコメディアンとしてだけでなく俳優としても幅広く活躍しました。

「タケモトピアノ」CMの財津一郎さん

財津さんの代表的な仕事の一つとして挙げられるのが、「タケモトピアノ」のテレビCMです。財津さんはリズミカルなステップを踏みながら「モットモットタケモット」と歌い、「ピアノ売ってチョーダイッ！」と締めるセリフで視聴者に訴えかけました。このCMは2000 年に制作され、有名なフレーズとして長きにわたって放送され続けました。

このCMの撮影前、財津さんは脳内出血の手術を受けたばかりだったと言われています。彼は撮影に参加することにした理由について、「タケモトピアノ」の社長である竹本功一氏が彼を好意的に受け入れてくれたことや、共演するダンサーたちが当時の関西で評判の良いダンサーたちだったということを挙げています。

しかし、撮影現場に行った財津さんは、まだ手術から退院したばかりの状態であり、ダンサーたちとの共演に不安を抱いていました。彼は自分の体調を考慮し、「あの動きはできない」と言いました。すると振り付け師は「それじゃあ財津さんだけ当て振りでいきましょう」と提案し、財津さんのために特別な振り付けが作られました。

財津一郎さんの紳士的な素顔

後年、財津さんが共演したダンサーのひとりである永津直子さんは、財津さんの撮影中の様子について次のように語っています。「撮影中、財津さんはとても紳士な方で、手術の後でお辛いだろうに、私たちダンサーに対して『根を詰め過ぎないで少しは休みなさいね』とか『水分補給もちゃんとしなさいよ』とか、ずっと気を使ってくれていました」と述べています。

このエピソードからは、財津さんの人柄や姿勢がうかがえます。彼は自分自身の体調に配慮しつつも、共演者に対して思いやりを持ち、紳士的な態度で接していたのです。それは彼がコメディアンや俳優としての成功だけでなく、その人となりによっても人々に愛された理由の一つなのかもしれません。

まとめとエピソードからの教訓

財津一郎さんは、その長いキャリアを通じて数々の作品やCMで多くの人々に笑いと感動を与えました。彼の存在は、時代劇やコメディの世界に大きな足跡を残しました。さらに、彼の紳士的な姿勢や思いやりのある態度は、多くの人々に親しまれ、尊敬されました。

私たちは、財津さんの人となりから学ぶべきことがたくさんあります。彼のように、自分自身の体調や健康を大切にしつつ、共演者や周囲の人々に思いやりを持ち接することは、成功だけでなく、人間関係や社会においても重要な要素です。

財津一郎さんのご冥福をお祈りするとともに、彼の人柄や姿勢に学び、私たち自身もより良い人間関係を築いていくことが大切であると改めて感じます。