オープンハウス、TOBにより三栄建築設計を完全子会社化へ
背景
株式会社オープンハウスグループ(3288)は、株式会社三栄建築設計(3228)の普通株式を公開買付け(TOB)などを通じて取得し、完全子会社化することを決定しました。買付け価格は1 株あたり2,025 円で、買付代金は42,964,584,975 円となります。買付予定数は21,217,079 株で、下限は14,144,700 株となっています。
オープンハウスグループとは
オープンハウスグループは、戸建てや米国の不動産の販売、戸建てやファミリーマンションの開発、不動産管理などを行っているグループ会社です。この公開買付けに際して、三栄建築設計の創業者で元社長の小池氏とその親族が保有する企業とTOBの応募契約を締結したと発表されています。また、三栄建築設計もTOBに賛同していることが明らかにされました。
三栄建築設計の業績悪化と信頼回復
三栄建築設計は、分譲戸建住宅や分譲マンションの販売、収益不動産の取得・運用・販売などの不動産関連事業を展開しています。しかし、元社長が反社会的勢力に金銭を供与したとして東京都公安委員会から暴力団排除条例に基づく勧告を受け、業績が悪化する可能性があったのです。オープンハウスが三栄建築設計を買収し、新体制下で信頼回復を図る意図が示されています。
シナジー効果
このM&Aにより、オープンハウスグループは以下のシナジーを想定しています。
1. 物件供給力と販売力の相互活用
三栄建築設計の物件供給力とオープンハウスグループの販売力を相互に活用し、両者の戸建住宅事業全体を底上げします。
2. デザイン性に優れた戸建住宅の拡充
三栄建築設計のデザイン性に優れた戸建住宅をオープンハウスグループの商品ラインナップに加えることで、商品の拡充を図ります。
3. スケールメリットによる競争力向上
スケールメリットを活かし、各種購買力の強化によるコスト競争力の向上を目指します。
4. 関西地方での協働
三栄建築設計の子会社であるメルディアDCとプレサンスが関西地方を中心とした協働を進め、更なる成果を目指します。
5. 金融機関取引の円滑化・安定化
三栄建築設計の金融機関取引を円滑化し、安定化させることで、経営の安定性を確保します。
今後の予定
公開買付けの開始公告日は2023 年 8 月 17 日で、買付けの期間は2023 年 9 月 28 日までの30 営業日となっています。そして、決済の開始日は2023 年 10 月 5 日です。
まとめ
オープンハウスグループによる三栄建築設計の完全子会社化は、両社のシナジー効果を最大限に引き出し、戸建住宅事業の底上げや商品ラインナップの拡充、競争力の向上など多くのメリットをもたらすものと期待されます。
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この画像は説明のためのもので、実際の状況を正確に描写していません。