トヨタが２７年にも実用化へ…次世代「全固体電池」の可能性

トヨタ、全固体電池の実用化目指し開発を進める

トヨタ自動車は、次世代型の電池である「全固体電池」の２０２７年から２８年にかけての実用化を目指し、開発を進める方針を発表した。現在、電気自動車の市場で米テスラなどが先行している中、反転攻勢を図っている。全固体電池は、充電時間の短縮や航続距離の延伸が期待され、自社の電気自動車に搭載する方針である。

全固体電池とは

全固体電池は、現在主流となっているリチウムイオン電池の電解質に液体を使用するのではなく、固体を使用するものである。そのため高出力で小型化しやすく、長い航続距離、充電時間の短縮などの利点がある。しかし、寿命の短さや、低コストで量産する技術の開発が課題とされる。

他の日本メーカーの取り組み

トヨタだけではなく、他の日本メーカーも全固体電池の開発を急いでいる。ホンダは２０年代後半、日産自動車は２８年度の実用化を目標としており、それぞれ研究施設や工場に生産ラインを設ける投資を計画している。

全固体電池の実用化で期待されること

全固体電池の実用化によって、電気自動車の普及に大きな貢献が期待されている。充電時間が短縮され、長距離走行も可能になるため、利便性と共に、環境問題にも貢献することが期待される。また、競争が激しい電気自動車の市場において、技術面での區別化が図れることで、メーカーの競争力向上にもつながると考えられる。

ＥＶ市場におけるトヨタの目標

トヨタは、２０３０年に世界販売台数を２２年実績の約１４０倍に相当する３５０万台に伸ばす計画を掲げている。このうち、１７０万台は、新設した「ＢＥＶファクトリー」で生産される次世代電気自動車であることが明らかになっている。また、ギガキャストと呼ばれる大型鋳造部品を採用することで、製造の効率化とコスト削減が実現できることが期待される。

まとめ

トヨタ自動車が目指す全固体電池の実用化は、電気自動車の市場において大きなブレイクスルーとなることが期待される。競争が激化する市場において、技術面での區別化が図れることで、メーカーの競争力向上につながることが期待される。日本の自動車メーカーの競争力強化に向け、今後の開発の進展が注目される。