フリースクールめぐる発言 東近江市長“謝罪したい”

フリースクールめぐる発言 東近江市長“謝罪したい”

小椋市長の発言と謝罪

滋賀県東近江市の小椋正清市長は、フリースクールをめぐる発言について、10 月 25 日の定例会見で「保護者やフリースクールを運営している方を私の配慮の足りないワンフレーズで傷つけたことに対しては深く反省して謝罪したい」と述べました。しかし、一方で発言を撤回する意思はないと改めて示しました。

発言の背景と批判

小椋市長は、今月 17 日に滋賀県で開催された子どもの不登校についての会議などで、「文部科学省がフリースクールの存在を認めたことにがく然としている」と述べたり、「不登校の大半は親の責任だ」と発言しました。これにより、県内のフリースクールを運営する協議会は発言の撤回や対話の場を求めました。

小椋市長の反省と意図

小椋市長は定例会見で、「不登校の原因が親だとは思っていない。社会の問題だ。保護者やフリースクールを運営している方を私の配慮の足りないワンフレーズで傷つけたことに対しては深く反省して謝罪したい」と述べました。しかし、発言を撤回する意思はないと再度表明しました。また、小椋市長は発言の意図について、「私が批判したのは、文部科学省がもう少しフリースクールの運営の基準やカリキュラムなどを制度設計してから、自治体に支援を求めてくるのが普通であり、そういったこともないままに支援するということに対して抵抗を覚えたからだ」と説明しました。

フリースクールの運営者からの声

市長への意見表明

滋賀県東近江市にあるフリースクール「ひとつぶてんとう園」の運営者は、小椋市長の謝罪に対し、「当事者の声を聞いて共通認識を持ってほしい」との意見を述べました。このフリースクールでは、0 歳から11 歳までの子ども11 人が週に5 日利用しており、自由な時間を過ごしたり学習支援を受けたりしています。

撤回要求と現場存取の提案

フリースクール協議会の副会長である西村静恵さんは、小椋市長が謝罪の意思を示したことについて「人は間違うことがあるので、言ったことについてこれ以上追及しないが、次にどう行動するかが大事だと思う」と述べました。彼女はさらに、発言の撤回しない意向を示したことに対して、「市長はフリースクールを利用している人や、不登校の子どもの現状をご存知ないと思うので、ぜひ現場を見に来て、当事者の声を聞いてほしい。どういう状況か知って共通認識をもってほしい」と訴えました。

まとめと展望

フリースクールをめぐる小椋市長の発言について、彼の謝罪に対しては一部の運営者からは受け入れられたものの、発言の撤回を求める声も根強いようです。今後、小椋市長はフリースクールの実態や当事者の意見をより詳しく把握する必要があります。自治体とフリースクールの関係やサポートの在り方について、より良い共通認識を持つための対話や協議が求められるでしょう。

こうした対話を通じて、フリースクールの運営者や保護者との信頼関係を築き、問題解決に向けた努力を続けることが重要です。また、教育行政の側も、フリースクールの運営基準やカリキュラムなどについてより詳細なガイドラインを策定し、支援体制を整備することが必要です。