マッカーシー下院議長、6票差で史上初の解任…共和党から8人が「賛成」
2023/10/04 11:51
米下院(定数435、欠員2)は3日、共和党のケビン・マッカーシー議長の解任を求める動議を賛成多数で可決した。共和党の保守強硬派議員が提出した動議を民主党が支援した。米国で下院議長の解任動議が可決されたのは史上初めて。新議長の選出は難航するとの見方が出ており、米議会の混乱が一層深まる可能性がある。
動議提出の経緯
動議は、保守強硬派の代表格マット・ゲイツ議員が、2日に提出した。ゲイツ氏は、マッカーシー氏が政府閉鎖を回避するための暫定予算(つなぎ予算)成立で民主党と協力したことに激しく反発していた。
可決の結果と議席動向
採決では、動議への賛成が216、反対210だった。7人は投票しなかった。つなぎ予算では協力を受けた民主党だが、マッカーシー氏への不信感は根強く208人が賛成した。221議席で多数派の共和党はゲイツ氏ら8人が賛成に回った。
新議長選出への影響と課題
今年1月に議長に就任したマッカーシー氏は、大幅な歳出削減や国境警備の強化などを求める保守強硬派の造反に当初から直面してきた。議長には15回目の投票でようやく選出された。この際、議長解任動議を議員単独で提出できる規則改正で譲歩しており、これが命取りとなった。
新議長の選出は難航するとの見方もあり、米議会の混乱が一層深まる可能性がある。また、下院議長の解任は、ロシアの侵略に直面するウクライナへの支援にも影響する恐れがある。民主、共和両党は、9月30日につなぎ予算を成立させ、政府機関の一時閉鎖を辛うじて回避したが、つなぎ予算でウクライナ支援は除外され、取り扱いは不透明なままになっている。新議長の方針次第では追加予算の成立は困難になり、2024会計年度(10月1日開始)の予算審議にも影響する可能性がある。
ホワイトハウスのコメント
ホワイトハウスは3日の声明で「我が国が直面している課題は待ったなしだ。バイデン大統領は、下院が速やかに議長を選出することを望んでいる」と訴えた。
Editorial 見解
このような議長解任の可決は、アメリカ政治にとって画期的な出来事です。共和党内部の対立が深まり、保守強硬派との対立がますます顕著になっていることが浮き彫りになりました。新議長の選出は困難を極めるかもしれませんが、それを乗り越えて最善の解決策を見つけ出すことが求められます。
また、ウクライナへの支援に関しては、新議長の方針が重要な意味を持つことになります。ウクライナがロシアの脅威に晒されている現在、アメリカの支援は不可欠です。議会の混乱がその支援に影響を及ぼさないよう、政治家たちは迅速かつ効果的な対応をする必要があります。
バイデン大統領が下院に対し議長の選出の迅速化を望む意向を示したことは、政治の安定を求める国民の期待にも応えるものです。新議長は国の重要な役割を担うため、賢明な選択が求められます。
Advice アドバイス
アメリカ政治は現在、分断と対立が目立つ時期にあります。その中で、政治家たちは国民の信頼を取り戻すために協力と対話を重視するべきです。また、ウクライナへの支援や重要な政策の実現に向けて、国益を最優先とする姿勢が求められます。
さらに、新議長の選出においては、リーダーシップや調整力が備わった候補者が選ばれることが望まれます。議会内の対立を和解し、国家と国民のために最善の決定を下すことが重要です。
<< photo by Aaron Burden >>
この画像は説明のためのもので、実際の状況を正確に描写していません。