原爆ドーム破片が警鐘を鳴らす
建築家の故郷で展示
核兵器反対のシンボルである広島市の原爆ドームの破片が、ドームの前身である広島県物産陳列館を設計した建築家ヤン・レツルの故郷チェコの各地で展示されている。破片を通じて原爆の恐ろしさを伝えてきた関係者は、G7 広島サミットで、核不使用に向けた決意が示されることを期待している。
ヤン・レツルはポーランドとの国境沿いにあるナーホト市で生まれました。1907 年に来日し、当時ウィーンで流行した幾何学的な意匠を取り入れた建築を手掛け、15 年に完成した陳列館もその一つでした。ドームを頂く欧風建築は「白亜の高楼」と呼ばれ親しまれていましたが、45 年 8 月 6 日の原爆投下を受けて崩壊し、後に原爆ドームの名で知られるようになりました。ナーホト市営墓地の一角にあるレツルの墓碑には、貝殻の付着した原爆ドームの破片が供えられており、建築家のめいの息子のイジ・ヘイズレルさん（78）は「破片から原爆がもたらす結果を思い知らされる。これからも核の危険性を警告し続けるはずだ」と語っています。
原爆ドーム破片が現実を伝える
広島市の原爆ドームは、核兵器使用の悲惨さを象徴する建築物として、多くの人々にその存在を認識されています。しかし、多くの人々にとって、核兵器というものが遠い現象であり、身近な存在ではありません。そのため、核兵器の恐ろしさを実感することは困難でしょう。
こうした状況を受け、現在、原爆ドームの破片がチェコの各地で展示されており、原爆の恐ろしさを身近なものとして感じさせ、核不使用に向けた重要性を訴えるとともに、現実を伝えています。さらに、ナーホト市営墓地に埋葬された建築家ヤン・レツルの墓に、貝殻の付着した原爆ドームの破片が供えられていることからも、広島市の原爆ドームが持つ象徴的な意味が示唆されます。
核兵器を二度と使用しない決意を示すべき
原爆ドームの破片展示の背後には、核兵器反対のシンボルである広島市のメッセージが込められています。原爆の恐ろしさを訴え、核兵器不使用への決意を示すことは、我々が取るべき重要な行動の一つでしょう。
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、核戦争の危険性は増大しています。そのため、G7 広島サミットで、核兵器使用を二度と繰り返さないことを確認する決意を示すことが必要不可欠です。この決意を示すことで、広島市のメッセージを訴え、核兵器不使用への取り組みが進むよう、世界中に訴える必要があります。
まとめ
原爆ドーム破片の展示は、原爆の恐ろしさを実感し、核不使用への決意を示すことが重要であることを再認識させる役割を果たしています。核兵器反対のシンボルである広島市のメッセージをグローバルに訴えることで、核兵器不使用への取り組みを進め、世界の平和を実現することが求められています。
<< photo by Terence Starkey >>
