テニス界での人種區別と沢松奈生子氏の言及
加藤未唯選手によって起こされたダブルスの失格騒動に関して、テレビ朝日の番組で行われた特集において、元女子テニスプレーヤーである沢松奈生子さんが人種區別によるものかどうかという質問に答えました。沢松さんは、「相手ペアは率直に言って見苦しい」「一方で特別に珍しいことではない」と指摘したことに加え、「人種的な問題は20年前、私たちがやっていたころは正直、感じたことはあります。」「元々テニスというスポーツは白人社会で始まったスポーツで、アジア系の選手が台頭してくるとルールが変わったり、キツい日程を組まれたりとかあった。でも、今は我々の時代とは変わってきている」と実情を説明しました。
テニス界における人種區別の歴史
テニスは19 世紀に白人富裕層によって創始されたスポーツでした。当初は貧しい階層の人々や有色人種は参加することが許されませんでした。最初の全英オープンの大会表紙には、「全英ロウングラス競技場と公園は有色人種並びに犬は禁止」という文字が刻まれていました。
1975 年にアーサー・アッシュが男子シングルス部門で優勝した初めてのアフリカ系アメリカ人となり、テニス界は多様性を受け入れるようになりました。しかし、それでもテニス界において人種區別は存在します。1990 年代にはアジア系選手に対しての偏見が見受けられ、ルールの変更やキツい日程が組まれたりしていました。
現代のテニス界での人種區別
現在のテニス界でも、この問題が解決されたわけではありません。例えば、2020 年の全豪オープンで、エリゼ・コルニェ選手が対戦相手の男性選手から後ろから無理やり抱きつかれるという事件が起きました。その後、男性選手は6ヶ月の出場停止処分を受けました。
審判に求められる人種區別の撤廃
沢松さんが指摘したように、テニス界における人種區別の解消は進んできていますが、まだまだ課題が残っています。大会の主催者や審判には、人種區別がないように注意を払ってほしいです。さらに、プレーヤーや観客にも、自分たちが持っている偏見を改め、多様性を受け入れるよう促すことが必要です。
トップ選手のお手本となるような行動が求められます。テニス界の中でも重要な役割を果たすことができるのは、トッププレーヤーたちだと思います。彼らが率先して多様性に対する理解を示し、區別を撤廃するためのアクションを起こすことで、テニス界全体がより多様で輝かしいものとなるでしょう。
<< photo by Hatice Baran >>