海の日を記念して、海に関する歴史から学び、海の保護を強化する必要性についてご論評ください。

海の日：歴史に学び守りを固めよ

海国・日本の守り

日本は四方を海に囲まれた島国であり、豊かな海の恵みを享受する一方で、広大な海の防衛は宿命と言えます。海の日は海国・日本ならではの祝日であり、海の恩恵に感謝し、一層の繁栄を願うとともに、海の守りを再認識する日として位置付けられています。

海の日の起源

海の日は明治 9 年（1876 年）に東北・北海道巡幸を終えた明治天皇が、灯台巡視船「明治丸」で帰京されたことにちなんでいます。明治天皇が7 月 20 日に横浜港に帰着したことから、昭和 16 年に「海の記念日」と定められました。この日は海の安全を守る灯台守らを支えた船が、お召し艦の栄を担った日であり、英国で建造された最新鋭船であるだけではなく、軍事的な側面も持っています。

海防の厳しさ

近年、日本の海防は厳しさを増しています。特に沖縄県の尖閣諸島周辺では連日、中国海警局の船が出没し、領海侵入することがしばしば報じられています。海上保安庁の巡視船が出動し、警告を行っても停止する気配はありません。さらに北朝鮮は12 日に日本海に向けて大陸間弾道ミサイル（ICBM）を発射するなど、侵略の可能性が高まっています。

海からの侵略者

侵略者は海からやってくると言われています。日本がユーラシア大陸の東端に位置するため、地理的なリスクは古今変わることがありません。鎌倉時代の元寇や、平安時代最大の対外危機である「刀伊の入寇」など、日本は大陸から攻め入るルートとして対馬や壱岐を侵し、九州北部へ上陸を図られた歴史があります。

約千年前の寛仁 3 年（1019 年）、今の中国・黒竜江省あたりにいた女真族（後に清を建国した満州族の同族）の一部が突如対馬に来襲し、略奪を行いました。このとき大宰権帥だった京都の公家、藤原隆家が博多で敵を撃退しました。藤原隆家は関白を父に持つ貴公子であり、剛毅な性格で知られています。

日本の海を守る意識を共有する

千年前の有事をめぐる論議を振り返るには、まずは日本の海を守る意識を国民全体で共有することが重要です。海洋保護に関する意識も重要ですが、紛争の可能性が高まる中での海防についても、国民一人ひとりが関心を持ち、行動することが求められます。海の日を機に、海洋に関する教育や情報の提供を行い、海の保護と安全確保に向けた取り組みが進むことを望みます。