広島原爆の日で平和記念式典 過去最多 111カ国が参加
平和への誓いを新たに
広島は6 日、米軍による原爆投下から78 年の「原爆の日」となり、広島市の平和記念公園では、「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれました。この式典には過去最多となる111カ国と欧州連合(EU)の駐日大使らが出席し、平和への連帯を示しました。
参列者は原爆投下の午前 8 時 15 分に黙祷し、広島市の小学 6 年である勝岡英玲奈(えれな)さん(12 歳)と米広朋留(ともる)君(11 歳)が「平和への誓い」を朗読しました。このような若い世代の声は、核兵器のない世界を目指す動きの一翼を担っています。
核抑止論の破綻に向き合うべき
松井一実市長は平和宣言の中で、先進 7カ国首脳会議(G7 広島サミット)に言及しました。彼は核軍縮文書が肯定した核抑止論について、「破綻していることを直視し、為政者に脱却を促すことが重要だ」と主張しました。核兵器の保有国がなおも抑止力に依存することは、真の平和を実現するための障害となっています。
また、岸田文雄首相も式典で「唯一の戦争被爆国として『核兵器のない世界』の実現に向けた努力をたゆまず続ける」とあいさつしました。広島での平和記念式典における彼の言葉は、世界に向けた日本の決意を示しています。
原爆慰霊碑に記帳された被爆者名簿
式典の中で、新たに5,320 人を追加し、総計 339,227 人が記帳された原爆死没者名簿が、原爆慰霊碑の石室に奉納されました。また、被爆者健康手帳を持つ国内外の生存者は、今年 3 月末で11 万 3,649 人となり、平均年齢は85.01 歳となりました。
世界の平和を願う声
この平和記念式典には、過去最多の111カ国と欧州連合(EU)の駐日大使らが参加しました。しかし、ウクライナ侵攻を理由にロシアとベラルーシは招待されませんでした。
国連のグテレス事務総長は「軍縮は、より安全な世界を実現する唯一の方法だ」とのメッセージを寄せています。平和への願いが、世界各国から示されています。
まとめと見解
広島原爆の日を迎える平和記念式典は、過去最多の111カ国と欧州連合(EU)の駐日大使らの参加で盛大に行われました。被爆者や若い世代の代表者が平和への誓いを述べ、日本や世界の平和を願う声が響き渡りました。
しかしながら、核兵器による抑止力の破綻や各国の戦争行為は現在も存在し、平和への道はまだ遠いものです。核軍縮や軍縮条約の重要性を再認識し、国際的な協力によって平和な世界の実現を目指す必要があります。
広島原爆の日を迎える度に私たちは、過去の犠牲を忘れず、戦争こそが最後の手段であることを改めて考える必要があります。平和への思いを強め、一人ひとりが平和に向けて行動することが、真の平和の実現に繋がるのです。
日本と世界の為政者には、核兵器廃絶や軍縮への取り組みを続けてほしいと願うばかりです。
<< photo by Lara Jameson >>
この画像は説明のためのもので、実際の状況を正確に描写していません。