台風 11 号の発達に向けた環境整備
現在、太平洋には台風 9 号(サオラー)と台風 10 号(ダムレイ)の二つの台風が存在し、その間で台風 11 号が発生しました。マリアナ諸島付近では、南西からのモンスーンと東からの貿易風が合流する「モンスーントラフ」と呼ばれる気象環境が形成されています。モンスーントラフには反時計回りの風の迴圈があり、台風の発生に適した条件となっています。現在の海域は海面水温が30℃以上であり、台風の発達に必要な十分な暖かさと水蒸気供給が整っています。また、台風 9 号と10 号は離れており、相互作用も少なく、上空の風の流れも発達を阻害しないため、台風 11 号の発達には適した環境と言えます。
台風 11 号の進路予測
台風 11 号は北西に進み、沖縄方面に接近する予想となっています。気象庁の情報によると、9 月 1 日(金)9 時の時点で台風の中心は沖縄の南に位置し、中心気圧は980hPa、中心付近の最大風速は30m/sと暴風域を伴う勢力になると予想されています。その後の進路次第では日本国内に影響を及ぼす可能性も考えられますが、まだ予測の誤差がある状況です。
進路予測の不確実性
台風 11 号の進路予測にはまだ不確実性が存在します。世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果を見ても、予測の幅が広いことが分かります。太平洋高気圧が日本の東側から勢力を強めており、北西へ進む傾向が多く見られます。しかし、沖縄付近を通って東シナ海方面に向かうものや、台湾など南側へ進むもの、本州の南へ北上するものまで、進路予測のばらつきがあることも示されています。また、進路だけでなく、タイミングや勢力の予測にも誤差があります。予測の不確実性は日にちが経つにつれて縮小する傾向にありますので、今後の情報には注意が必要です。
今年の8 月は台風の発生が増加
今年の8 月は台風の発生が目立ちました。台風 7 号、9 号、10 号が発生し、また西経域から入ってきたハリケーンが台風 8 号となりました。台風 11 号は今月 5つ目の台風であり、北西太平洋での発生としては4つ目の台風となります。8 月の平年値は台風が5.7 個発生することからも、この時期は台風の発生が多くなる時期です。しかし、今年は平年よりもやや少ないペースで台風が発生しています。ただし、ウェザーニュースの予測によれば、年内にはまだ10 個以上の台風が発生する見込みです。特に秋になると、台風が本州付近に影響を与えることが予想されるため、台風対策や大雨対策を整えておくことが重要です。
台風の名前と意味
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称から順に付けられます。台風 11 号の名前「ハイクイ(Haikui/海葵)」は中国が提案したもので、中国語で「イソギンチャク」を意味しています。
対策を整えて備える
台風 11 号の進路や影響の具体的な予測はまだ確保していませんが、これからの時期には特に注意が必要です。台風対策や大雨対策を整え、早めの備えを心掛けましょう。また、ウェザーニュースのアプリを活用して最新の天気情報を確認し、適切な行動を取ることが重要です。
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この画像は説明のためのもので、実際の状況を正確に描写していません。