とよた真帆「夫・青山真治が遺してくれたご縁を形にすることで、前向きに次の人生を踏み出せる」
面白そうなことに飛び込んでいく
女優業のかたわら、趣味を生かして幅広い活動を続けてきたとよた真帆さん。夫で映画監督の青山真治さんを亡くし、失意の中にいたとよたさんの悲しみを癒やしてくれたのは、日常の小さな「楽しいこと」だったといいます。
一周忌を前に、東京・神保町の書店に、青山の膨大な蔵書の中から約 2000 冊を展示・販売する「青山真治文庫」を開設しました。同時に、彼の闘病中は中断していた趣味も少しずつ再開。
私は「面白そう」と思ったら、ためらいなく飛び込んでいくんです。そして一度始めたら、けっこう長く続きます。一番歴史が古いのは、DIYでしょうか。DIYを始めたのは10 代の頃。物作り自体が好きなのですが、母の影響も大きいと思います。
物を使い切る「もったいない」精神
母は東京大空襲で焼け出され、まったく物がない生活を経験しているので、「もったいない」精神が体に染みついていて、物を使い切るのが上手なんです。段ボール箱にかわいい千代紙を貼って小物入れにしたり、小さい頃から見ていた私も、自然と自分で工夫してリメイクするようになりました。
取っておいたボタンをアクリル樹脂で固めて、テーブルの天板にしたこともあります。古くなった家具を自分で塗装し直すなど、何かに新しい命を吹き込むのが好きなんです。最近は、自宅の天井におしゃれなフックを取り付けて、植物を吊り下げるのに凝っています。
ゼロから何かを生み出すのも楽しいですね。以前、通販会社とのコラボレーションで、刺繍 Tシャツをプロデュースする機会がありました。打ち合わせの時に、「こんな感じはどうでしょう?」と、30 枚ほど下絵を持っていったら、それが採用されたんです。
さらに、その刺繍の下絵を、京友禅の会社の方に見ていただく機会があり、着物のデザインを手がけることになりました。かつて美術の専門学校に通っていましたが、絵はあくまで趣味。それを着物にしていただけるなんて!
面白そうだから、描いてみる。たとえ変な絵になっても、「失敗した」とは思いません。自分なりに工夫して、生み出すことが楽しいんですから。
ご縁を形にする
とよたさんは、夫の青山真治さんが遺してくれたご縁を大切にし、次の人生を前向きに踏み出そうとしています。青山さんの蔵書を展示・販売する「青山真治文庫」の開設は、その一例です。
ご縁は人との繋がりを意味します。私たちは生涯を通じてさまざまな人との出会いや関係を築いていきますが、その中には大切な縁もあれば、一過性のものもあります。
しかし、そのご縁を手放すことなく、形にすることで、新たな可能性や喜びを見出すことができるのかもしれません。とよたさんのように、自身の趣味や興味に一つ一つ向き合い、それを具体的な活動やプロジェクトに結びつけることで、充実した人生を歩むことができるのです。
失意の中で小さな「楽しいこと」を見つける
とよたさんは夫を亡くし、悲しみに暮れる中で、日常の小さな「楽しいこと」に救いを見出しました。これは私たちにとっても重要な教訓です。
人生には喜びや幸せだけでなく、辛い経験や悲しみもつきものです。しかし、その中で自分自身を励まし、前向きな気持ちを保つためには、意識して小さな「楽しいこと」を見つけることが大切です。
日常の中には、身の回りの出来事や趣味、興味の対象など、私たちを楽しませてくれる要素がいくつも存在しています。それらを見つけ出し、積極的に取り組むことで、心の健康を保ちながら、前向きに次の人生を踏み出すことができるのです。
まとめ
とよた真帆さんは、夫の青山真治さんから受け継いだご縁を大切にし、自身の趣味や興味を活かして前向きに次の人生を踏み出す姿勢を示しています。彼女の話からは、人生の喜びや充実感を見つけるためには、自身の興味や趣味に積極的に向き合い、小さな「楽しいこと」を見つけることが重要であると感じます。
また、ご縁を形にすることで新たな可能性や喜びを見出すこともできるということを教えられました。生涯を通じて出会う人々との関係を大切にし、それを具体的な活動やプロジェクトに結びつけることで、豊かな人生を築くことができるのです。
私たちは常に新たな人生の節目に立っています。どんな経験や状況に直面しても、とよたさんのように自分自身を励まし、前向きな気持ちを持ち続けることが大切です。小さな「楽しいこと」を見つけ出し、それを大切にすることで、幸せな人生を歩むことができるのです。
<< photo by Taylor Smith >>
この画像は説明のためのもので、実際の状況を正確に描写していません。