トップランクを目指す国際卓越研究大学、東北大が候補に！認定には何が求められるかを探求

国際卓越研究大学候補に東北大が選定される

文部科学省は、10 兆円規模のファンドの運用益により支援を受ける「国際卓越研究大学」の候補として、東北大学を選定したと発表しました。ただし、一定の条件を満たした場合に認定が行われることとなっています。東北大学は、世界トップの研究水準を実現する潜在力を持つ大学として選ばれたのです。

東北大学の目指す「世界トップクラスの研究大学」とは

海外のトップレベルの大学が豊富な資金を背景に研究力を高めている中、国内では論文の質や量の低下が指摘されています。政府は、大学に対して世界トップクラスの研究者の獲得や若手研究者の育成、研究者の研究時間確保のための負担軽減などを求め、ファンドを創設しました。そして、そのファンドを通じて卓越大学を支援することとなったのです。

探求への挑戦としての東北大学の役割

東北大学の大野英男総長は、研究大学としての役割を「比較的フラットな構造で優秀な人たちが集まり、卓越した研究をする。独自に考えながら自らの方向性を選ぶ」と述べています。また、彼自身も半導体技術の研究分野で活躍し、ノーベル賞候補として挙げられる実績を持っています。東北大学は、このような研究の探求を通じて、世界最高水準の研究大学を目指すべきだと考えています。

国際卓越研究大学の候補選定における評価と課題

候補選定にあたって行われた審査では、以下の6つの專案が精査され、明確化されることが条件とされました。

1. 国際的に卓越した研究成果を創出できる研究力
2. 実効性が高く、意欲的な事業・財務戦略
3. 自律と責任のあるガバナンス（統治）体制
4. 人文・社会科学系も含めた全学の研究力向上の道筋
5. 全方位の国際化
6. 活力ある新たな研究体制の確立

有識者会議は、東北大学の申請について「体系的な計画が明確にされている」「新たな研究体制の確立に向けた明確な戦略が示されている」と評価しています。一方で、「従来の成長モデルの延長線上では達成困難」「海外からの研究者や学生の受け入れ態勢は構築途上」と指摘もありました。

国際卓越研究大学化への道筋

国際卓越研究大学認定のためには、東北大学が以下の要件を満たす必要があります。

1. 「人文・社会科学系も含めた全学の研究力向上の道筋」の明確化
2. 全方位の国際化の推進
3. 新たな研究体制の確立
4. 大学院変革や学部変革への取り組み
5. 財務戦略の高度化と産学共創による収益の拡大方策
6. 体制強化計画の実施が継続されるガバナンス体制の構築

東北大学は、これらの要件を満たすために、体制の強化計画の磨き上げや意思決定機関の設定などの準備を進めていくこととなっています。そして、認定後には来年度中に助成が開始される予定です。東北大学が国際卓越研究大学としての地位を確立するためには、これらの要件を着実に達成する必要があります。

国際卓越研究大学の意義と将来への展望

国際卓越研究大学の認定は、国内の研究力向上や世界的な競争力の強化に大きく寄与するものと期待されています。国内の大学が世界トップクラスの研究力を持つことで、グローバルな研究コミュニティとの交流や共同研究の促進、優秀な研究者の確保などが可能となります。また、国際卓越研究大学の認定を受けた大学は、社会や産業界との連携を深めることで、イノベーションの創出や社会課題の解決にも積極的に取り組むことが期待されています。

東北大学が国際卓越研究大学として認定されることで、日本の大学の研究力向上と国際競争力の強化に大きな一歩が踏み出されることとなります。今後は、東北大学が厳しい審査基準をクリアし、認定を受けるために積極的な改革と取り組みを行っていくことが求められます。それに加えて、他の候補大学も自らの強みを引き出し、国際卓越研究大学化への道筋を明確化していくことが重要です。

国際卓越研究大学の実現に向け、政府や文部科学省、大学自体が積極的な支援や施策を展開する必要があります。また、私たち一般市民も、大学への支援や期待を示すことで、国際卓越研究大学の実現に寄与することができます。日本の教育・研究のレベル向上と国際的な評価に貢献する国際卓越研究大学の実現を、私たちも応援していきましょう。