メディファーマが治験 123 件で違反行為…血圧数値改ざんなど、創業以来の組織ぐるみか
2023/10/17 21:37
厚生労働省は17 日、治験支援会社メディファーマ(東京都)が、医療機関から委託された123 件の治験で、データの改ざんなど医薬品医療機器法(薬機法)の違反行為を行っていたと発表しました。厚労省は創業後約 10 年にわたり、組織ぐるみで違反を繰り返していたとみており、今後処分を検討しているとのことです。
違反行為の内容
厚労省によると、メディファーマは新薬の有効性や安全性を確かめるための治験のデータを改ざんしていたといいます。具体的には、治験参加者の血圧の数値や薬の投与と採血の時間などが改ざんされていました。また、医療機関の医師らと別々に管理しなければならない治験データの閲覧用のパスワードを共有し、薬の温度管理も守らなかったとのことです。さらに、医療従事者に受講が義務づけられている治験の講座においても、メディファーマの社員が代理で参加していたとの指摘があります。
厚労省の対応
厚労省は情報提供を受け、メディファーマに対して8 月 29 日から9 月 4 日にかけて3 回の立ち入り検査を行い、違反行為を確認しました。承認を受けていた25 製品については、改ざんされたデータを省いても、有効性や安全性は確認できるとして、承認の取り消しは行わない方針です。現時点で健康被害の報告はないとのことです。
治験の重要性と問題点
治験は薬機法で定められた厳格な手順に従って行われるべきです。しかし、メディファーマは業務の効率化を優先し、必要な手順を省くなどしていたと見られています。また、医療機関側にも違反に関与していた可能性があり、調査が進められる予定です。
厚労省の担当者は「前例のない非常に悪質な行為だ」と指摘しています。このような違反行為は信頼に関わる問題であり、治験参加者や患者にとって重大な影響を及ぼす可能性があります。
メディファーマのコメント
メディファーマの担当者は読売新聞の取材に対し、「企業として問題点があった。関係する全ての方々に深くおわびする。内部体制の重新整理などを進め、信頼回復に努めたい」とコメントしました。
最後に
今回のメディファーマの違反行為は、医療業界における信頼の問題を浮き彫りにしました。治験は医薬品の有効性や安全性を確認するための重要な手続きであり、違反行為はその信頼性を揺るがすものです。今後は厚生労働省が厳しい処分を行い、違反行為の発生を防止するための対策を徹底する必要があります。
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この画像は説明のためのもので、実際の状況を正確に描写していません。